営業パーソンが知っておきたい質問力を高める1つのポイント

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投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

私たちが、セールスや体験セッションなどで、お客様とコミュニケーションをとる際に必ず行うのが「質問」です。私たちは、質問することによってお客様から情報を引き出したり、お客様の言語化を促したりしています。また、お客様に気づきを与えるためにコーチング的なアプローチも行ます。関連記事:商談で顧客と信頼関係を構築してセールスするために必要な4つの役割コーチングには、お客様の気づきを促進するという役割がありますが、そのための手段として使われるのが質問です。しかし、こういったセールスや体験セッションなどで行われる質問は、お客様を問い詰めるような「詰問」になりがちです。例えば、何か商品の説明を聞いたり、セールスを受ける際に、相手から立て続けに質問をされ、質問の意図がわからないままただ質問に答えていくという状況にストレスを感じてしまったり、どうしてこんな質問しているのかと疑いを持ってしまったり、質問に答えることに疲れてしまったり、という経験がある方は多いのではないでしょうか。これは質問ではなく詰問になってしまっているからです。これではいくらいい質問を用意していたとしても、いくら商品やサービスがよくても成約率は上がりません。本記事では、そんなセールスの場において「質問」をする際に「詰問」にならないように抑えておくべきポイントを解説していきます。

この記事はPodcastでオーディオセミナー配信しています。
目次

質問の意図が分からないと、お客様は心理的に抵抗感を感じてしまう。

一体どうしてセールスの場においては、質問ではなく詰問になってしまいやすいのでしょうか。

その理由は、お客様の脳内に質問を受け入れる余地ができてないことにあります。

400万部を超えるベストセラー『バカの壁(新潮社)』の中で、養老孟司先生は「人というのは、受け入れる余地のないものは受け入れない、自分が受け入れる余地のあったものだけを受け入れるし理解しようとする」と言っています。

セールスにおいて質問することはとても大事なことですが、お客様にその質問の意図が分からなければ受け入れる余地ができません

お客様に受け入れ余地ができていないのにいくら質問をしても、効果的な答えが引き出せないばかりか、お客様の脳内に心理的な抵抗が起きてしまい、質問に答えるのすら辛くなってきてしまうのです。

質問をするときには、意図をセットで伝えることが大切!

セールスの場でお客様に質問する際には、必ず一緒に意図をセットで伝えることが必要です。

例えば、セールスや体験セッションの最初に行う具体的なトークの事例を紹介します。

「〇〇さん、今日はお時間をいただきありがとうございました。」

「まずこの場の目的を確認するために、私からこの場はこういう目的のために設定されたということを、ご確認させていただいてもよろしいでしょうか?」

「私が認識しているこの場の目的は2つあります。1つ目は〇〇〇〇ですが、この1つ目の目的はよろしいでしょうか?」

「2つ目の目的は〇〇〇〇です。こちらもよろしいでしょうか?」

このように「まず最初にこの場の目的を確認させていただいてもよろしいでしょうか」と意図を伝えることが重要です。

この意図の伝えた場合と、伝えない場合とでは、お客様の質問に対する回答の質が全く違ってきます。

ぜひ、お客様に質問をする時には、その前に必ず質問の意図を伝えてみてください。

例えば、あなたがコンサルタントとしてお客様にフィードバックをする時にも、次のように、今からフィードバックをすること、フィードバックをするために質問をするという意図を伝えることが大切です。

「〇〇さん、今から専門家の立場としてフィードバックをさせていただきたいと思いますがよろしいでしょうか?」

この一手間によってお客様は、「今から私はフィードバックされるんだな」、「私は今からいくつか質問されるんだな」、「今からいろいろ自分の現状を話すんだな」という受け入れ準備ができ、質問に抵抗感なく回答することができるのです。

心理的準備状態(レディネス)ができると、スムーズに商談が進む!質問をするときには意図をセットで伝える一手間を必ず入れよう!

今回解説した「質問するときには意図をセットで伝える」という一手間によってお客様の脳内には私たちセールスパーソンの質問を受け入れる準備ができます

この準備のことを、専門用語で「心理的準備状態」や「レディネス」と言い、受け入れる余地ができている状態になったことを「レディネスがある」「レディネスができた」と表現します。

「質問するときには意図をセットで伝える」という一手間を言葉で理解するのは簡単ですが、いざ実践となると、いつの間にかお客様を質問攻めにしてしまっているということは往々にして起きてしまいます。

質問の中にも、未来を想像させるフューチャーペーシング的な質問や、ネガティブな未来を想起させてネガティブリスクを実感させる質問など、セールスに有効なテクニックが沢山ありますが、お客様の中に違和感や抵抗感、不快感が生まれてしまっては、お客様とのラポール、信頼関係は築けません

あなたがお客様のことを把握するために質問したい気持ちは分かりますが、お客様も人間ですから緊張していますし、「今から何を聞かれるんだろう」「今から何を売られるんだろう」という疑問や不安があります。

そのため、セールスの場において質問をする際には、必ず質問前に質問の意図を伝え、お客様の脳の中に受け入れ余地、すなわち心理的準備状態(レディネス)を作り出すということを忘れないでください。

この一手間を入れるだけで、よりお客様とのコミュニケーションが円滑に進むようになりますし、お客様の回答の質、強いては成約率も大きく変わってくるはずです。

投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会代表理事。株式会社プロアライブ代表取締役。脳科学を活用したコンサルティングを8年で3,500人以上のクライアントに提供してきた。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことがきっかけで、脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。 【出版実績】 自分の脳に合った勉強法(フォレスト出版) シャイン博士が語るキャリア・カウンセリングの進め方(翻訳) シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方(翻訳)

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