オンラインセールスの活用しどころ・活用すべきではない場面

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投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

今回は「オンラインセールスの活用しどころ・活用すべきではない場面」というテーマでお届けします。 是非、今回の内容もあなた自身の業務に落とし込んでいただいて、日々のセールス活動につなげてください。

この記事はPodcastでオーディオセミナー配信しています。
目次

未だに苦手意識を持つ人が多いオンラインセールス

オンライン化により、リアルの商談よりも伝えることが難しいと感じる人が全体の7割超。

先日見たアンケートの記事の中で気になるものを見つけました。

それは「社会全体がオンライン営業活動にシフトしていますが、オンライン営業活動によって自分たちの商品・サービスを伝えることが難しくなったと感じることはありますか?」というものです。

そのアンケートによると、なんと未だに「オンラインセールスを難しいと感じる層」が全体の7割とのことです。

当初オンラインセールスが注目され始めた、「新型コロナウイルスの感染拡大によって営業活動自体がオンライン化することを余儀なくされた時期」であればこの数値も理解できます。

しかしながら、本コラム更新時期はその頃から2年弱ぐらい経過しています。その中でも、やはりオンラインセールスが非常に難しいということを感じる方が多いということでした。

オンラインセールスが難しいと感じる理由①コミュニケーション方法

難しいと感じる理由①:そもそもオンライン上でのコミュニケーションの取り方がわからない。

私は、オンラインセールスが難しいと感じる理由は大きく二つあると思っています。

一つ目が「そもそもオンライン上でのコミュニケーションの取り方がわからない」というもの。

実際、私達プロセールス協会メンバーも地方のお客様にお会いする機会がほとんどありません。ビデオ通話等でお会いしてお話をさせていただくのですが、都心と地方ではオンラインセールスに対する理解が全く違います

私もてっきり全国においてもオンラインセールスが当然普及していると思っていたのですが、そうではない。

例えば大都市圏、札幌や仙台、東京、横浜、名古屋、大阪、福岡となりますと比較的オンラインセールスが進んでいます。

一方、大都市圏から車で1時間走らせた地域などでは意外とオンラインセールスを導入されたことがない企業様がたくさんいます。お話を伺って私もびっくりしました。

そもそもオンラインセールスの悩みは、「オンラインで予約が取れない」「オンラインで成約率が下がる」という内容が多いかと思っていたのですが、意外にも「どのように導入していいかわからない」と言った悩みが多いのです。

なぜかとお伺いすると「オンラインでのコミュニケーションの取り方自体がわからないから、お客様どころか社員とのオンライン上におけるコミュニケーションの取り方すら想像できない」という答えが返ってくることがよくありました。

これに対して私たちプロセールス協会は「オンラインでのセールスロジック」をしっかり極めていきましょうとお伝えしています。私たちは、オンラインセールスの導入支援をさせて頂いている会社です。

具体的に私どもが提供するサービスの中には「7Stepのセールスロジック」というものがあり、ステップバイステップでオンラインセールスのやり方を確実に身につけられるという内容です。

7Stepのセールスロジック無料ダウンロードページ

もし興味を持っていただけたら、私、小沼のセミナーや、本ページ以外にもありますコラムなどもご一読頂ければ嬉しく思います。

オンラインセールスが難しいと感じる理由②使い所がわからない

難しいと感じる理由②:使い所がわからない。

オンラインセールスが難しいと捉える二つ目が、まさに今回のテーマである「使い所がわからない」ということです。

オンラインセールスの使い所がわからないセールスパーソン、企業もかなり多いという実態があります

よくいただく質問でも「オンラインセールス導入したいけど、導入するにしてもいつ使えばいいのか」「今リアルで会えてるのに、わざわざオンラインを取り入れて効果性が上がるんですか」というものがあります。

実際、私も同じようにオンラインセールスを取り入れていない経営者の立場であったならそのように思うかもしれません。

オンラインセールス導入の悩みを解決するために

こちら2つの悩みを解決するためには、オンラインセールスの特徴を捉えていただくことが必要であると私は考えています。特に「使い分け」の考え方が必要になります。

単純接触効果を増やすきっかけに~間接コスト削減も実現

オンラインセールスを活用すべき場面は単純接触効果が必要なとき。

心理学的な効果で「単純接触効果」というものがあります。別名「ザイオンス効果」といいます。

実はこの単純接触効果を図って、オンラインセールスを利用すると非常に効果的です。

人間というのは、接触回数が多ければ多いほど好意を抱きやすいという研究結果があります。この単純接触効果の理論に基づくと、お客様とコミュニケーションをとる回数を多くすればお客さんはあなたに好意を抱いてくれやすくなります。ひいてはあなたの会社に好意を抱いてくれるということです。

オンラインセールスは、まさにこの単純接触効果を図るために最適なツールです。

特に遠方のお客様とのやり取りで積極的に活用していただきたいと私は思っています。遠方のお客様とはなかなか頻繁には会えませんよね。私は東京を拠点としていますが、北海道のお客様と定期的にお会いすることは難しいです。そのため、自分達と商圏が離れている会社様を相手にする際にオンラインセールスを使うべきでしょう。

このことで単純接触効果が意図的に増やせるだけでなく、移動費等の間接コストが減るという2つの結果が得られます。

オンラインセールスとリアルでの営業との違いについては、『リアルで売れた営業ノウハウがオンラインで通用しない理由を脳科学的に解説』の記事も参考にしてみてください。

アイスブレイク・ヒアリング時にオンライン通話が最適

オンラインセールスを活用すべき場面は「アイスブレイク」や「ヒアリング」のとき。

もう一つは、商談のフェーズごとにオンラインセールスを使うべき場所を見極めるということです。

具体的なフェーズの一つがアイスブレイク、つまり初対面時です。

もう一つのフェーズがヒアリング時です。

まずアイスブレイクはお客様との初回の商談時に行われます。今後、商談が発展するかどうかまだ未知数のことが多い状態です。そのためお客様も、あなたとリアルで会うことに対しては、こういうご時世なこともあり抵抗感があるはず。特にこれは都心に迫ってくればくるほど起こり得ます

すると最初に会うためのハードルを低くするためにオンラインツールが役立つというわけです。

二つ目、ヒアリングの際にはオンラインセールス導入とともに私がお勧めしている方法があります。それはマインドマップです。

マインドマップをつくるためのマインドシェアというサービスがあります。こちらのツールを使うと、オンライン商談中にZoom内機能でそのまま画面共有し、お客様にそのマインドマップを見せながらヒアリング内容をひとつひとつ打ち込んでお見せする、ということができます。

すると、お客様の眼前の画面では、ご自身が話した情報が綺麗に整理されていき、感動を産みます。本段階をうまく再現すると、この行為自体が一つの商品と評価できるのではないかと思えるぐらいのコーチングが可能となります。

お客様にヒアリングした内容をマインドマップにまとめていくと、マインドマップ自体が一つのアウトプットとなります。そのためヒアリング商談が終わった後には、「この部分について詳しく聞かせて欲しい」という反応を引き出せるようになります。

このフェーズは、オンラインでなければ実現できません。オンライン環境というのは、実はお客様の頭の中を整理してアウトプットする上で非常に効果的なのです

オンラインを活用するべきでない場面とは?

オンラインセールスを活用すべきでない場面は熱量を伝えるプレゼン(決めのプレゼン等)

オンライン方式の活用しどころではない場面も存在します。

「思い」や「自分のストーリー」のように、「これから私がお客様に伴走していきます」というストーリーをお伝えする「決めのプレゼン」についてはリアル商談上で提示することが効果的です。オンライン上でおこなうべきではありません

理由は、ミラーニューロンという「脳のものまね細胞」のメカニズムに基づきます。ミラーニューロンは相手に共感するはたらきがあり、もらい泣きやイライラした人の近くにいるとイライラする、緊張の伝染というような現象を起こします。

ものまね細胞には原則があります。それは物理的距離に比例して反応しやすくなるということです。

そのため、対象に近ければ近いほどミラーニューロンが活性化つまり「共感」が生まれやすく、物理的距離が遠ければ遠いほど共感しにくくなります

また、共感を生む脳のメカニズムについては、「なぜあの人の話は人を動かすのか?共感を生む脳のメカニズムとは』の記事をご参考にしてみてください。

決めのプレゼン=自分の熱量を伝えるプレゼンをオンライン上ではすべきでない理由がここにあります。したがって、自分が「全身全霊の想いを伝えるのはここだ」と思った時にはリアル営業をお勧めするというのが私の結論です。

恋愛でもそうですよね。私は経験がありませんが、例えばZoomで相手に告白をする、自分の気持ちを伝えることは想像しづらいし、伝わりづらいのではないかというイメージです。実際、ミラーニューロンのメカニズムに基づけばその通りであるとわかるのです。

オンラインセールス、対面営業の使い所を見極めよう

オンラインセールスを活用すべき場面とそうでない場面を見極めて使い分けよう!

オンライン営業とリアル営業はそれぞれ強みが異なるため「使い所」が大切であると解説してまいりました。

オンライン営業は遠方の方とのコミュニケーションをとる時には有効的です。相手にとっても参加ハードルが下がります。東京からわざわざ来てもらう、北海道のお得意さんに東京へ来てもらうのはちょっとなぁというお客様自身の心理的ハードルも下げることができ、スムーズに提案を受け入れるための心的状態を形成しやすくなります。

そしてリアル営業の強みについて、熱量系のプレゼンは対面、リアル状態で行いましょう。オンラインでは熱量が伝わりづらいためすべきではありません。

この大原則をしっかりと捉え、オンライン営業・リアル営業の使いどころをマスターしていただきたいと思います。あなた自身のセールス活動を進める上で、是非参考にしてみてください。


投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会代表理事。株式会社プロアライブ代表取締役。脳科学を活用したコンサルティングを8年で3,500人以上のクライアントに提供してきた。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことがきっかけで、脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。 【出版実績】 自分の脳に合った勉強法(フォレスト出版) シャイン博士が語るキャリア・カウンセリングの進め方(翻訳) シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方(翻訳)

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