商談中のメモはこうしてとれ!!会話を聞き漏らさないメモのとり方

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代表理事
小沼 勢矢

本コラムでは、成約率を上げるメモの技術についてお伝えします。

この記事はPodcastでオーディオセミナー配信しています。
目次

本コラムでは、成約率を上げるメモの技術についてお伝えします。

商談においてメモすべきことは「キーワード」や「ポイント」

セールスパーソンは商談の最中、お客様の話を聞きながらメモを取ります。

脳科学的には、「メモを取り、その内容からお客様に提案をしたり、お客様に気づきを与えるような内容を提示することによってお客様にアハ体験をもたらせば、購買行動を促せる」といえます。

問題は「どのようにメモしたらいいのか」です。

プロセールス協会にお寄せいただく質問として、「お客様の話を全てメモしようとすると、とてもメモが追いつかない、お客様の話や表情に集中できない、どのようにメモを取るべきか」という内容が少なからずあります。

もちろん、お客様の話をメモすることはとても重要なのですが、話を全てメモできるかといえばそれは不可能です。

理由は、手の動く速度とお客様が話すスピードが物理的に段違いであるためです。話すスピードはメモよりも早いものです。

そこで、「お客様の言っているキーワードやポイントなど」をメモすることをお勧めします

訓練によりこういったメモの技術は高められます。すると、商談中などにお客様の言っていることや要点を的確にまとめることができるようになります

ぜひ、キーワードに重点を置いてメモをするという習慣を身につけてください。

メモや会話に集中しすぎてしまう場合にすべきこと

メモについて他に、「メモに集中すると、次に何を質問すればいいのか、どのような内容で提案すればいいのか、自分の頭の中で考える時間が無いため分からない」という質問をよくいただきます。

「何を質問するか」「効果的に商談を進めるためには……」ということばかり考えていると、結果的にお客様の話が聞けなくなることがあるかもしれません。

あるいは逆にお客様の話を聞くことばかりに集中していると、「次に何を質問すべきか」「どういうことを提案しようか」ということにリソースが割けないなど様々なパターンが考えられます。

こういった場合、「自分の考えていること」や「『次にこういう質問をしよう』というようなひらめき」、あるいはお客様の話を聞いていて思いついた「提案内容として効果的であると考えられる推測や推論」など自分の「思考の中身」をメモしてください

また、質問力を高めるための方法については、「成約率を高めるためには質問が重要!4つの質問テンプレートで質問力を高めよう」の記事に記載しているのでぜひ読んでみて実践してみて下さい。

どのタイミングでメモを取るべきか

メモを取るという行為には、効果的なタイミングがあります

それは、お客様との商談における「間」です。セールスの場では、必ず「間」が生まれます。このタイミングを大切に有効活用していきましょう。

具体的なタイミングは、お客様が何か考えていたり沈黙している間です。このタイミングを使って次の質問を考えたり、それまで聞いた内容に関してひらめいたことをメモします。

つまり「間」が生じた時こそが、自分の思考の時間なのです。

お客様の話を聞いている最中に思考したり、何かしらのアイデアを考えようとしてしまうと、結局お客様が話している内容すら聞き取れません。

リスニング学習の例

筆者である小沼の例でお話します。私は外語大学に通っていたことがあり、あるときTOEICについて学んでいました。

勉強開始当時、全く語学が得意ではなかったため、TOEICでは350点というあまり理想的ではない点数を取っていました。

しかしその後ある気づきを得て、TOEICの解き方に目覚め、最終的に3~4ヶ月ぐらい経つと最初の350点から915点まで点数を伸ばすことができました

TOEICの試験では、英語を聞いて、その後内容について質問されるため、そちらに答えていくというパートがあります。

あるとき先生に、「リスニングパートの時は、わからない単語・言葉があったとしても、ずっとそこで考えずに聴き続けなさい」とフィードバックを受けました。

このフィードバックは、「わからない単語の意味、文法について思考しようとしてしまうと、その後の英語が全く聞き取れなくなる」という状況を避けるためのものでした。もしかすると、TOEICの勉強経験がある方にとってはあるあるかもしれません。

脳は、分からない単語や文法にフックされてしまうと、その後の話が全く聞けなくなるのです。特に英語は言語が違うためリスニングは追いつかなくなります。無理に追いかければ、結果的に点数を下げてしまうことでしょう。

その後私は、わからない単語・文法があってもまずは聞き続けるということを徹底的に訓練し、結果を出しました。この訓練が今セールスに役立っているように感じます。

相手の会話に自動反応せず「間」が生まれた時だけ思考するべき

多くのセールスパーソンは、相手の話を聞いている最中に自分の頭の中で勝手に思考を始めます。そう教育されている方も多いでしょう。

相手の話を聞き終わってから考えるのではなく、話を聞いている最中から自問自答して、「今のこれってどういうことかな」「このお客さんって何を考えてるのかな」と自動反応的に考えてしまうのです。すると、お客様が発している言葉は聞こえなくなります。

あくまでもお客様の会話中に生まれる「間」や沈黙の最中に考えるようにしましょう。

日本語の場合は特に顕著ですが、人間の発話行為は必ず文節・センテンスを伴って行われます。つまり、かならず呼吸・息継ぎによる「間」が生まれます。

1秒、2秒や小数点以下という短さの時もあれば、比較的長い10秒という場合もあるかもしれません。

究極的にはこの小数点以下の呼吸の瞬間だけでも、自分の思考に戻して考えることができれば理想です。しかしながら非常にレベルの高い方法となります。

会話中の「間」を上手く捉え、瞬間的に自分の思考に切り替えてメモしよう!

今回は「成約率を上げるメモの技術」というテーマで、お客様が話している最中に生まれた間を利用してメモするべき、とお伝えしてきました。

メモすることは、お客様の話していることや自分の考えや次の質問内容、その商談のポイントなど、自分の頭の中で思考したことです。

質問力を高めるための方法については、「成約率を高めるためには質問が重要!4つの質問テンプレートで質問力を高めよう」の記事に記載しているのでぜひ読んでみて実践してみて下さい。

お客様の話に関わること以外をメモおよび思考してしまうと、全く相手の話が聞き取れなくなってしまうのでNGです。

相手の話の最中に間が生まれるやいなや、すぐ自分の脳みそに切り替えてメモ、相手が話し始めたらまた相手の話を聞き、間が生まれたらすぐ自分の思考に戻ってメモして、という行ったり来たりがあるため、商談とは本来、本気で臨む必要がありとても忙しく、非常に疲れるものなのです。

物凄く頭を使うため、それだけ脳が活性化するイベントでもあります。

しかし、このような状態まで到達できれば、基本的な相手の反応も把握できるようになり、何を話すべきかなど商談における次の戦略もその場で立てられるなど、商談を有利に進められるようになります。

まずは意識して、メモするときに今回の考え方を実践してみてください。

投稿者:
代表理事
小沼 勢矢

一般社団法人プロセールス協会代表理事。株式会社プロアライブ代表取締役。脳科学を活用したコンサルティングを8年で3,500人以上のクライアントに提供してきた。コロナ禍で営業に課題を抱えるクライアントが増加したことがきっかけで、脳科学を基にしたセールスメソッドを確立。価値あるサービスを世の中に上手く届けられずに困っている事業者様を支援したいという想いから、一般社団法人プロセールス協会を設立。 【出版実績】 自分の脳に合った勉強法(フォレスト出版) シャイン博士が語るキャリア・カウンセリングの進め方(翻訳) シャイン博士が語る組織開発と人的資源管理の進め方(翻訳)

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